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~配偶者の居住権を短期に保護するための方策~
2019年07月12日


司法書士の時岡アヤ子です。

《配偶者短期居住権》

今回の相続法改正により、「配偶者短期居住権」(新法第1037条以下)
という制度が新しくできます(2020年4月1日施行)。

(1)これは最高裁判例(最判平成8年12月17日民集50巻10号2778頁)の中で
高齢の相続人の居住権保護の必要性が認められたことから、
その内容を多少変更する形で定めます。

新法の「配偶者短期居住権」は、あくまで①配偶者のみに、②無償の居住建物使用権を、
③相続開始時から(遺産分割を行うべき場合ではないときは、相続または遺贈により
新たにその住居の所有者となった者が「配偶者短期居住権」の消滅の申入れをした日から)
6ヶ月を経過する日までを最低存続期間(※それ以上長く遺産分割協議に年月を要した場合には、
遺産分割協議が成立するまで)として、認められます(新法第1037条第1項)。

(2)そもそも配偶者が被相続人の相続について欠格事由(民法第891条)にあたる場合、
または廃除された場合には、この「配偶者短期居住権」はありません
(新法第1037条第1項ただし書後段)。
一方、配偶者が相続放棄をした場合であれば、この「配偶者短期居住権」は認められます。

(3)やや細かくなりますが、配偶者が被相続人の財産である住居に、
相続開始時において無償で住んでいたことが条件です。
「配偶者居住権」であれば、有償と無償を問わず認められますが、
「配偶者短期居住権」では、無償の場合に限られます。

(4)また配偶者が遺贈によって居住建物につき「配偶者居住権」を得た場合には、
「配偶者短期居住権」はありません(新法第1037条第1項ただし書)。
配偶者が同時に両方の居住権を得ることはないのです。遺産分割協議により配偶者が「配偶者居住権」を得ると、
そこで「配偶者短期居住権」は消滅します(新法第1039条)。

(5)「配偶者短期居住権」には第三者対抗力がありませんので、
「配偶者居住権」とは違い、登記することができません。

【参考文献「相続法改正と司法書士実務」
(東京司法書士会民法改正対策委員会編)日本加除出版株式会社】

執筆:時岡アヤ子

カテゴリ:02-相続について
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