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《遺言制度に関する見直し》
2019年10月8日

司法書士の時岡アヤ子です。

《遺言制度に関する見直し》

今回の相続法改正には、遺産分割に関する見直しがいくつかあります(2019年7月1日施行)

今回の相続法改正には、遺言制度に関する見直しがいくつかあります
(下記(1)及び(4)を除き2019年7月1日施行)。
(1)すでに2019年1月13日から施行されていますが、新法第968条第2項により、
自筆証書遺言の財産目録は、自書しなくてもよくなりました。

(2)新法第998条は、平成29年改正民法により、
売買等の担保責任に関する規律が見直されたことに従い、
不特定物のみについて遺贈義務者の担保責任を定めていた旧法の規律内容を削除します。
すなわち遺贈は無償なので、贈与の担保責任に関する第551条第1項と同じく、
相続財産に属する遺贈の目的物または権利について、遺贈義務者は、
原則としてその物または権利を相続開始時(その後似遺贈の目的物または
権利を特定した場合は、その特定の時)の状態で引渡しまたは移転しなければなりません。

(3)遺言執行者の権限が明確化されます。
① 新法第1007条第2項には、遺言執行者の通知義務が明記されます。
通知しなければならない相手は、相続人のみであり、
遺贈を受ける受遺者などは包括受遺者であっても対象ではありません。

② 新法第1012条第2項により、
遺言執行者がある場合、遺贈の履行は遺言執行者のみができます。
受遺者が遺贈の履行を求める相手方を明らかにする趣旨です。
遺言執行者がなければ、相続人に対して遺贈の履行を請求することになります。

③ 新法第1014条第2項により、「特定財産承継遺言」(遺産に属する特定財産を
共同相続人の一人または数人に承継させる内容の遺言)についての対抗要件具備行為は、
遺言執行者の権限になります。
例えば、甲土地を相続人Aに相続させる内容の遺言がある場合には、
甲土地の所有権登記名義を相続人Aに変更する行為を遺言執行者が執行できます。

④ 新法第1014条第3項により、特定財産承継遺言の目的財産が債権である場合で、
遺言執行者は預貯金債権につき、前項に定める対抗要件具備行為のほかに、
払戻請求や解約申入れの権限を行使することができます。

⑤ 新法第1016条により、遺言執行者の復任権が広く認められるようになります。
旧法では遺言に復任権を認める文言がなければ、やむを得ない事由がないと認められませんでした。

(4)「法務局における遺言書の保管等に関する法律」(2020年7月10日施行)が制定され、
法務局で自筆証書遺言に限り、保管してもらえるようになります。
ただし遺言者本人が管轄の遺言書保管所(指定された法務局)に出向いて申請する必要があり、
郵送による申請も、代理人による申請もできません。
関係相続人等は、関係遺言書の閲覧請求や遺言書情報証明書の交付請求をすることができます。

【参考文献「相続法改正と司法書士実務」
(東京司法書士会民法改正対策委員会編)日本加除出版株式会社】

 

執筆:時岡アヤ子

カテゴリ:02-相続について
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