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~配偶者の居住権を長期的に保護するための方策~
2019年06月13日


司法書士の時岡アヤ子です。

《配偶者居住権》
今回の相続法改正により、「配偶者居住権」(新法第1028条以下)という制度が
新しくできます(2020年4月1日施行)。

(1)仮に夫(妻)が亡くなった後も亡夫(妻)名義の自宅に、その妻(夫)が
そのまま住み続けたいという場合、その自宅を子供が相続しても、
妻(夫)は亡くなるまで無償で、その自宅に住み続けることが可能になります。
ただし、被相続人の配偶者であっても、
無条件に常にその権利が与えられるわけではありません。

1)被相続人が亡くなった時(相続開始時)に、
その配偶者が被相続人の財産である住居に住んでいた場合。
(賃料を支払っていても構いません。)(新法第1028条第1項)
2)その住居が被相続人の単独名義、あるいは被相続人とその配偶者だけの共有名義の場合。
(新法第1028条第1項ただし書)

この1)と2)の条件をどちらも満たした上で、
①「配偶者居住権を相続する」という内容の遺産分割協議が成立した場合。
(新法第1028条第1項第1号)
②「配偶者居住権を遺贈する」という内容の遺言がある場合。
(新法第1028条第1項第2号)
③家庭裁判所に遺産分割の請求があり、その手続の中で「配偶者居住権を取得する」
という内容の審判があった場合。(新法第1029条)

この①から③のいずれかの場合には、相続または遺贈により、
たとえ新しい所有者に変わっても、「配偶者居住権」によって被相続人の配偶者が
そのままその住居に住み続けることができます。

(2)なお「配偶者居住権」の対抗要件は登記に限られます(新法第1031条)。
安心して住み続けるためには、登記をしておくことが重要になります。
登記請求権があるので(新法第1031条第1項)、
どうしても新たな所有者が登記手続きに協力してくれない場合には、
訴訟を起こすというのも選択肢の一つです。

(3)また「配偶者居住権」は、配偶者が誰かにあげたり売ったりできるもの
ではありませんが(新法第1032条第2項)、
財産として相当の価値があるものと評価され、相続分を算定されます。
もっともこの算定基準は明確には定められていないので、
今後の実務の動向に注意が必要です。

【参考文献「相続法改正と司法書士実務」
(東京司法書士会民法改正対策委員会編)日本加除出版株式会社】

執筆:時岡アヤ子

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